進化すべき常識の概念

現在当たり前とされていることは、
歴史を遡るとその成り立ちがよく分かるし、
同時にその当たり前を
未だ採用する理由がないこともよく分かります。

例えば、『貯金』という文化は、
一説によると太平洋戦争の時に浸透したと言われています。
理由は、戦争中は戦争のための資金を
外国から集めることが出来ないため、
国民から調達するしか選択肢がなかったからです。

そして、その手段として
当時国営だった郵便局への貯金が奨励されたようなのですが、
これ以降、金利が高い郵便局にお金を預けておきさえすれば、
放っておいてもお金が増えたため銀行への貯金が当たり前化し、
今なお、貯金一択の考え方が浸透しているというわけです。
今や、貯金しても全く増えないにもかかわらずです。

おはようございます。
OHANA HOUSE Inc. 神田です。

では続いて、
家づくりの歴史を少し遡りつつ、
それをもとにこれからの家づくりについて
意見を述べていきたいと思います。

✔️ 国民所得倍増計画

岸田政権が「令和版」と称して打ち出しているし、
社会の授業で習ったのでご存知だとは思いますが、
高度成長期の真只中、
当時の内閣が打ち出した政策が国民所得倍増計画ですが、
この時住宅の需要が一気に膨れ上がりました。
そして、国民の多くが家を持つことが当たり前になり、
日本のGDPが一気に伸びました。

当時は、現在のようなモノ余りではなかったので、
家や車や家電といったモノを所有することが
幸せの象徴だったこともあり、
なおのこと急速に普及していったのでしょう。

そして、この時に急速に普及していった住宅が
公団住宅であり、ハウスメーカーの商品住宅です。
いわば、コストと工期を圧縮した
大量生産型の家が普及したというわけです。
総二階建てならではの家族間でのプライバシーも考慮した
(1階が団欒・2階がプライバシー)
という触れ込みも当時は画期的だったのでしょう。

そんなわけで、今や家を持つことは
国民の夢ではなく当たり前となっているのですが、
では、今なお大量に建てられている高度成長期以降に
急速に普及した商品住宅は暮らしやすいのでしょうか?
現在のライフスタイルに合致していると言えるのでしょうか?

✔️ 長期視点で考えるのが鍵

これらの制度が出来た当時と比べ、
現在はいろんなことが変化してきています。
それゆえ、それらに合わせて
家のカタチも見直すべきではないでしょうか。

例えば、家は2階建てが当たり前ですが、
長寿化しつつある現在、
そこに50〜60年住む可能性が高いことから
ホントは平屋にすべきではないでしょうか。

子供たちはやがて家を出ていくし、
歳をとれば足腰も弱ってきて2階に上るのが億劫になる可能性が高く
そうなれば2階につくった部屋は使わない無駄な部屋になるからです。

また、子育て期間中のことを考えても
子供部屋が1階にあった方が確実に使い勝手がいいと思いませんか?
1階に子供部屋があれば、
わざわざ2階まで荷物を持ち運びしなくていいので、
自分の部屋に荷物を片付けてもらいやすくなるでしょうし。

そんなわけで、
これまでの時代に沿ったままの常識に従うのではなく、
これからの時代に沿った考え方のもと
家づくりに取り組んでいただきたいと考えています。

そんな家づくりが出来れば、
より暮らしやすく、より幸せで、より充実した日々を
きっと送ることが出来るのではないでしょうか。