「この頃のお家は窓が小さいなぁ」
「この頃のお家は窓が少ないなぁ」
親御さんも交えて打ち合わせをしていると、
時折親御さんからこのように言われることがあります。
そして、続けざまに
「窓が小さいと家が暗くなるよ」
という意見が飛んでくるわけですが、
では窓のサイズや数と家の明るさとの間には
一体どれくらい相関関係があるのでしょうか?
こんにちは。
OHANA HOUSE Inc. 神田です。
と、その前に
なぜここ最近のお家は窓が小さく、
また少なくなっているのか?
その理由について簡単にお伝えしておきます。
✔︎ 構造の安定のため
まず1つ目の理由が構造の安定のためです。
窓がつくところは、
耐震壁をつくることが出来なくなってしまいます。
ただし、高い耐震性を持たせるためには、
ただ単純に壁を増やせばいいというわけでもなくて、
いかにバランス良く壁をつくることが出来ているのかも
合わせて大切なこととなります。
✔︎ 快適性を高めるため
続いての理由がこれです。
いくら以前に比べて
窓の断熱性能が高くなったとはいえ、
壁に充填する断熱材よりも
断熱性能が高いわけではないからです。
そして、断熱性能がより高いお家の方が、
冷暖房も効きやすく日々心地よく過ごせると同時に
温度差が生じにくいことから、
冷暖房機器がより少ないパワーで働くことが出来るので、
結果、電気料金の節約にもつながります。
✔︎ 家を汚れにくくするため
続いての理由がこれです。
外壁を汚れさせる一番の原因は実は窓だからです。
窓の横から垂れじみがダラーっと流れている光景を
よく目にしませんか?
家の汚れが目立ちやすくなると、
必然的にメンテナンス周期が早まってしまうのですが、
そうなればランニングコストが割高になってしまうので、
とりわけ、よく目につく面は窓のつくり方に気をつけるべきです。
✔ ︎より収納力を高めるため
最後がこの理由です。
なんの関係があるのか
いまいち意味が分かりませんよね?
でも大いに関係があります。
例えば、3帖という広さの収納の
長手方向の長さは2.6mあるのですが、
この壁面に6段分棚をつくれば、
そこには15.6m分の棚が出来ます。
しかし、換気がしたいからという理由で
この壁面に窓をつくってしまったら、
一体どうなるでしょうか?
その窓の前には何も置けなくなり、
その窓のサイズ分丸々収納が減ってしまう
ということになります。
具体的に、
窓のサイズを横幅1,5m、高さ1mとすると、
1.5m幅×3段分=4.5m分、
つまり約30%分も収納が減ってしまうことになります。
✔︎ 比例しない窓の数と明るさ
そんなこんなで、
きちんとした意味を持ってここ最近のお家は窓が小さく、
また少なくなっているのですが、
そうなると大事なことが、
窓本来の役割を果たすことが出来る窓が
つくれているかどうかということです。
つまり、光を採り込み風を通せるかどうか、ということです。
例えば、光が入ってくる方向に大きな窓をつくり、
この窓からたくさんの光を期待していたものの、
そこが外から丸見えだった場合、
そこにはカーテンをせざるを得なくなります。
となると、多かれ少なかれ
光を遮ってしまうことになります。
また、場合によったらレースにとどまらず
遮光まで閉めざるを得なくなってしまうかもしれません。
こんな状態では、
窓の役割を果たしてないと言っても過言ではありませんよね。
なので、家を建てる時は
周りから家がどう見えているのかということまで想像しながら、
間取りとにらめっこしてください。
窓が多ければ多いほど明るいわけでもないし、
窓が大きければ大きいほど明るいわけもありませんが、
カーテンありきの窓をつくってしまうと、
窓がより少なく、より小さくなった現在の家は、
よりいっそう家の中が暗くなるので、
気をつけていただければと思います。