ローンの恐ろしさを知る

コロナ後のインフレを抑制するために、
アメリカの中央銀行(FRB)が
急ピッチで利上げを進めてきたため、
アメリカの住宅ローン金利は
日本では考えられない高水準にあるのですが、
実はアメリカ人の90%以上が固定金利で
住宅ローンを借りていると言われています。

ゆえ、アメリカでは、
すでにこれまでに家を買っている人は
どれだけ金利が上がろうとも
全くダメージを受けることはありません。

他方、アメリカとは比較にならないぐらい
金利が安いここ日本では、
固定金利を選ぶ人は全体の20%ぐらいしかおらず、
大部分の方がいわゆる変動金利で住宅ローンを借りている
と言われているのですが、
どうやらこれがインフレを抑制するために
全世界的に利上げが進んでいった中、
唯一日本だけが利上げが出来ない理由の一つになっているようです。

物価と同じように賃金が上がっていない中、
利上げを実行してしまうと、
たちどころに住宅ローン破綻する人が続出する可能性が高いからです。

ゆえ、どれだけ物価は上がろうとも、
日本銀行が利上げをする可能性は低いと言われていましたが、
とうとう変動金利も上がる時が来てしまいました。
先の金融政策決定会合を受けて、
9月からメガバンクが変動金利の指標金利である
短プラを0.15%上げることが決まったからです。
今回は、金利が上がってくると一体どうなるか?
を考えていきたいと思います。

おはようございます。
OHANA HOUSE Inc. 神田です。

この利上げにより、
返済額が来月から急に数千円も上がってしまうとしたら
あなたならどうしますか?

もちろん生活にゆとりがある方なら別段問題はないでしょうし、
計画的に貯金が出来ている方なら
繰上げ返済によって返済額の調整が出来るので
別段問題はないでしょう。

しかし、返済が上がると困る状況に陥りそうなのだとしたら、
金利が上がっても返済額は上がらないように
返済期間を延ばしてもらうしか方法はありません。

つまり、いつまで経ってもローンが終わらないという状況になり、
結果、利息の支払いがどんどんどんどん膨らんでいくというわけです。

また利上げによる返済額アップが
きつい状況になるような予算で家を建ててしまっているとしたら、
これから先に待ち構えていることに
後手の対応しか出来なくなってしまいます。

家のメンテ費用に家電製品の買い替え費用、
そして車の買い替え費用に子供たちの進学費用などです。

家のメンテをするために
仮にリフォームローンを組むとなれば、
おそらく毎月2万円前後の支払いが
今後10年ほど住宅ローンに上乗せされることになるでしょう。

それに加えてエコキュートやエアコンなどの
価格が高い製品を買い換えるとなり、
これもリフォームローンでいくとしたら
さらに1万円ほどが上乗せになります。

また、不運にもこれらと同じタイミングで
車を買い換えないといけないとしたら、
さらに毎月の出費が嵩増しになり、
相当厳しい家計になってしまうのではないでしょうか。

子供たちの教育費に関しては
中学を卒業するまではそこまで大きなものではありませんが、
仮に子供を大学に行かせてやろうとお考えであれば、
高校はそれなりに出費が増えると
想定しておいた方がいいと思います。

ましてや大学に行くとなると
授業料だけでなく家賃や光熱費、そして生活費も
負担してあげないといけませんから。

ゆえ、家を建てる時には、
こういったことまで想定した上で予算を設定し、
住宅ローンを選ぶことをオススメしているというわけです。

そこまでゆとりある家計でないにもかかわらず、
これから先の出費のことまで考えないで家を建ててしまうと、
間違いなく死ぬまでずっとローンに縛られたまま
生きていくことになってしまうだけですから。

そんなわけなので、
家を建てる時には金利上昇のリスクを織り込んで考えつつ
建てた後に必要となる費用をどのように準備していくかまで
考えた上で家づくりの計画を立てていただけたらと思います。

それが「資金計画」というやつです。