北側道路の基本的なメリットは、
駐車場と庭が分離出来ること、
そして、居住スペースが道路と反対側に造ることができるため、
『プライバシーが確保しやすいこと』ですが、
敷地の奥行きが深くなればなるほど、
その恩恵をより享受しやすくなります。
敷地の奥行きが深くなれば、
その分、家の南側に庭が確保しやすくなりますし、
南側敷地の隣家から充分に距離をとることが出来、
居住スペースに南からたっぷりと光が入ることから、
明るくて開放的で、かつ庭と一体感がある
リビングダイニングキッチンをつくりやすいからです。
それゆえに、プロである建築会社側では、
間口に比べて奥行きが深い北側道路の土地が、
全ての土地の中で最も良い土地である、と言われています。
おはようございます。
OHANA HOUSE Inc. 神田です。
他方、奥行きが浅い北側接道の土地は、
南側敷地の隣家との距離が近くなってしまうため、
南からの光が充分に採れなくなってしまいますし、
同時に、プライバシー性に優れた庭も
充分な広さを確保することが出来なくなってしまいます。
つまり、日当たりが悪い、
暗い・寒い・ジメジメの三拍子揃った家になりやすく、
かつ、北側接道のメリットであるプライバシー性が高く
安全な庭をつくることも出来なくなってしまう、というわけです。
これが、一般的に、
誰もが北側接道を避ける最大の要因となるわけですが、
実際、北側接道の土地の多くは、
奥行きがそれほど広くないため、
そのデメリットをまともに受けやすくなってしまいます。
奥行きを広くつくらない理由は、
価格設定はそのままで奥行きを深くとろうとすれば、
その分、間口を狭めるしかないため、
そうなれば土地の形が細長くなり、
見た目が悪くなったように見えますし、
かつ、建てる家の自由度が減ってしまうからです。
また、奥行きも間口も広くつくってしまうと、
最も価格設定を低くせざるを得ない、
北側接道の土地の面積が増えてしまい、
結果、不動産屋さんの儲けが減ってしまうことになるからです。
☑ ネガティブな要素を逆手にとる!
このような理由から、
北側接道の土地は、南側接道の土地に比べて、
ずいぶんと安く価格が設定されているわけですが、
この“安い”という大きな大きなメリットは、
決して見逃してはいけない要素です。
しかし、このメリットを得るためには、
暗くなりそう・寒そう・ジメジメしそう・という
大きな大きなデメリットをクリアしなければいけません。
例えば、たとえ日当たりが悪いと分かっていても、
どうしてもリビングを南につくりたいとお考えであれば、
リビングを吹抜けにするという解決策があります。
1階の窓に光が射し込まないのであれば、
より高い2階の窓から光を採り込めばいいからです。
また、リビングの位置を南にこだわらないのであれば、
リビングを南ではなく北に配置し、
そのリビングの南面に大きな窓をつくるという解決策もあります。
南側敷地の隣家から距離が遠くなれば、
南からの光をたっぷり採り込むことが出来るからです。
このように、
土地が持つデメリットを解決することが出来る手段が『設計』であり、
その土地に合わせて間取りを考えることさえ出来れば、
たとえ日当たりが悪そうな土地であったとしても、
明るく開放的な住まいをつくることが出来ます。
もちろん、プライバシーも完璧に確保しながらです。
ということで、ただ単に、
日当たりが悪そうな北側接道というだけで、
この土地を選択肢から外してしまわないように、
注意していただければと思います。
土地選びで“価格が安い”ということは、
とってもとっても大事なことですので。