数字だけでは分からないこと

何かを判断する時、
基準となるのは数字ですが、
家づくりでは、
数字だけでは判断しきれないことが多々あります。

例えば、部屋の広さ。
仮に、同じ16帖という
リビングダイニングキッチンが存在しても、
見る家によっては、
すごく狭く感じることもあれば、逆に、
すごく広く感じることもあった経験はありませんか?

では、なんとなくそう感じた原因について
今回は説明していきたいと思います。

おはようございます。
OHANA HOUSE Inc. 神田です。

この説明をするにあたって、
対比となる2つのリビングダイニングの写真があれば分かりやすいので、
(狭く感じる家と広く感じる家)ホントはそうしたいのですが、
勝手に写真を使うのは失礼なので、
頑張って言葉だけでお伝えしていきます。(笑)
頭でイメージを膨らませながらついてきてください!

✔ なぜか狭く感じる理由

まず1つ目の理由が
「ドアと天井の間に壁があるから」です。

 

この写真の右側がそうです。
この壁のことを「垂れ壁」と呼ぶのですが、
なぜこの壁があると狭く感じてしまうのかと言うと、
視線がその壁によって止まるからです。

左の写真であれば、
天井がずっと奥の方まで続いているように見えるのに対し、
右の写真は、ここで一旦縁が切られてしまいます。

また、視線が止まるだけでなく、
右と左の写真では、
天井の明るさに違いがあるのがお分かりいただけると思います。

つまり、垂れ壁があることによって
視線が止まり「抜け感」が出ないことに加え、
天井付近が薄暗くなり、
天井が妙に低く感じてしまうというわけです。

そして、2つ目の理由が
「窓と天井の間にも壁があるから」です。
この窓とは、
外に出られる床まである大きな窓のことです。
これも先程のドアと同じで、
出来た「垂れ壁」によって
視線が遮られ「抜け感」が消滅する原因となります。

また、室内に入ってくる光量も減るし、
かつ、天井付近にも光が届きにくくなり、
薄暗い天井が圧迫感を出してしまうというわけです。

3つ目の理由は
「カーテンが開けられないから」です。
これが狭苦しさを感じさせる最も大きな理由となります。

カーテンが閉まったままの状態は、
そこに壁があるとまではいかなくても、
外の景色や空を見ることが出来ません。
カーテンによって室内への採光を
さらに減らしてしまうわけです。

そこの写真のように天井までドアや窓があり、
かつカーテンがいらない家と、
垂れ壁だらけで、
かつカーテンだらけの家では、
数字上は同じ広さだったとしても、
体感的には大きな差が生じてもおかしくないというわけです。

✔ 天井を高くする意味

開放感を出すために
天井を高くしたいと多くの方がおっしゃいます。
もちろん、天井を高くすれば
幾分開放感は生まれると思います。

しかし、ドアや窓の高さが低いまま
天井だけを高くしたら、
なおのこと天井付近が暗くなるし、
その上、その窓のカーテンが
閉まったままだとしたら、
全く開放感が出ないのが現実です。

ゆえ、天井だけを高くするだけでは、
それほど意味がないということを
まずは知っておいていただけたらと思います。
それよりも「垂れ壁」と「カーテン」を
なくすことが出来る間取りづくりの方が、
遥かに明るさと開放感を出してくれることは
間違いありませんから。