家づくりに失敗しないための視点

一般的に北向きの土地は
日当たりが悪いかあるいは悪そうなイメージから
敬遠されがちです。

実際、南に隣接して
2階建ての家が建っている場合、
日中、土地の半分ぐらいが
陰になっていることが多いのですが、
仮にあなたが、そんな土地に
家を建てなければいけないとしたら、
どのような要望を建築会社にお伝えしますか?

おはようございます。
OHANA HOUSE Inc. 神田です。

北向きの土地で一番課題になるのが、
リビングダイニングキッチンの明るさを
どのように確保するかです。

南からの光を採るために
南にリビングを配置しても
光は入ってこないでしょうし、
かといって、光を確保するために、
南に隣接する家から
出来るだけ距離を離そうとしても、
土地にかなりの奥行きがなければ
それも出来ないからです。

また、南から光が採りにくい場合、
東や西から補助的に光を採ろうとしますが、
この場合も、その方向に
家が隣接して建っているとしたら、
光が十分に入ってこないし、
逆に家が建っていないとしても
丸見えになってしまうとしたら
カーテンで光を遮断してしまいます。

そんなこんなで、
周りの家の位置関係も確かめながら、
実際暮らし出したら
どういう状況になるかまで考えた上で、
間取りを考えていかないといけません。

ホント、間取りって
単純に動線や使いやすさだけを考えて
つくればいいわけではないので、
これが家づくりの難しいところです。

いざ、暮らし出したら
思っていたのと違うなんてことになったら、
ホント申し訳ないですからね・・・

✔ 固定概念がもたらす後悔

そして、北向きの土地の場合、
「南向きで部屋をつくらなければいけない」
と思いながら家づくりをしてしまうと、
家の見た目が悪くなるとともに、
家が汚れやすくなってしまいます。

トイレ、洗面、お風呂などの水回りが北面、
つまり家の正面に配置されやすくなるからです。

水回りが家の正面に配置されると、
窓がたくさん正面に出来ると同時に、
サイズや位置も不均一なため、
外観のバランスが崩れやすくなります。
かつ、水回りには換気扇も必要なので、
なおのこと外観が崩れることになります。

そして、この窓や換気扇が、
外壁を汚す大きな原因となります。
窓や換気扇から伝うタレジミや、
換気扇から出る黒ずんだ汚れが、
家の正面にその数だけ出来てしまうからです。

結果、見た目が美しくない家になってしまうだけでなく、
非常に汚れも目立ちやすく、
後悔が絶えない家になりやすいというわけです。

それゆえ、北向きの土地で気を付けるべきことは、
「部屋を優先して
日当たりのいい場所に配置しなければいけない」
という思い込みを持ったまま
家づくりをしないということです。

安定した採光を確保するためには、
隣接する建物から
十分な距離を確保する必要があるのですが、
北向きの土地の場合、
単純に部屋を南に配置するだけでは
十分な採光は確保出来ません。

また、光を阻害する建物がない方向に
窓をつくることによって
採光を確保するにしても、
その方向が丸見えになるのだとしたら、
プライバシーの担保のために
カーテンをせざるを得ないため、
それもいい解決策ではないことは、
前回のブログでもお伝えした通りです。

この問題を解決するためには、
その部屋の役割と使い方をよく考えた上で、
どんな窓をどこに配置すべきなのかを考えながら
部屋の配置を決めなければいけません。

そして、それには
周りの家の位置関係が密接に関係してきます。

ということで、
家を建てる時は単純に動線や使い勝手だけでなく、
こういった視点も持ちながら、
土地選びと間取りづくりをしていただければと思います。