通り抜け動線の利点と難点

家づくりをするほとんどの方が、
玄関脇に大なり小なりの
土間収納(シューズクローゼット)をつくりますが、
そうするとやりたくなるのが、
土間収納から玄関ホールへと通り抜ける動線づくりです。

家族が靴を脱ぎ履きする場所を
玄関と別にすることによって、
玄関をいつもスッキリさせておくためです。

しかし、一見便利そうに感じるこのアイデアも、
実は2つのイライラをつくりだす原因に
なってしまうかもしれません。

おはようございます。
OHANA HOUSE Inc. 神田です。

まず1つ目が、
「靴を脱ぎ履きする場所が狭過ぎて
朝の混雑時にイライラする問題」です。

つまり、せっかく家を建てたのに、
結局アパートで暮らしていた時と
何ら状況が変わらないということです。

土間収納には棚がある分、
どうしてもホールに上がる幅が
狭くなってしまいますから。

ましてや、この土間収納に
冬のアウターを吊っているとしたら、
その袖のかさばりのせいで、
家族玄関が圧迫され、
なおのこと狭々しく感じるのではないでしょうか。

また、子供たちが中学生になれば、
雨の日はカッパを着て
自転車で学校に行くわけですが、
そんな狭いスペースで
カッパを着たり脱いだりするのは、
きっと子供たちにとってもストレスになると思います。

そして2つ目が、
「思ったより荷物が置けない」というイライラです。

というのも、
通り抜けしなければいけないということは、
イコールそこに全く荷物が置けないからです。
つまり、通路を確保しなければいけない分、
必然的に収納量が減ってしまうというわけです。

そして、やがて家族の成長とともに
荷物はどんどん増えていくのですが、
そうなると、とてもではないけれど
その棚だけでは荷物が収まらなくなり、
いつの間にか来客用玄関で
靴の脱ぎ履きをするようになり、
家族用玄関はスッカリ物置と化し、
通り抜け出来なくなるというわけです。

︎ 「通り抜け動線」は金食い虫

そんなこんなで、
個人的には通り抜け動線は、
よくよく考えなければならないと思っています。

理由は、先程も説明したように
壁がなくなり通路が出来ることによって
収納が減ってしまうからです。

だとしたら、
収納量が変わらないのであれば
通り抜けをやめて収納スペースを減らした方が、
床面積が小さくなり、
その分家のコストが安くなるので、
そっちの方が良いと思っています。

通り抜けられず回り込んだとしても、
わずか数歩の差ですから。

もちろん、あくまでこれは1つの意見であり、
これが絶対に正しいわけでもありません。

しかし、分かっておいてもらいたいことは、
通り抜け動線は動線が短くなるというメリットがある反面、
収納が減ってしまうというデメリットがあるということです。

なので、自分の荷物量と
実際の暮らしを想像してみた上で、
そうするかしないかを考えてみていただければと思います。